あなただけ見つめてる


夕陽の元気な声に圧倒された
私とお母さん

「あら。また大きくなったわね」

「うん。先生は男の子かもって」

「そう。よかったわね?」

「うん。颯はね、女の子が良かったんですって」

「まっ失礼しちゃうわ」

別にお母さんの事じゃないと思うけど

「でも、向こうのお義母さんは生まれるまで分からないわよって」

へ?

颯の弟さんがそうだったらしいの
と普通に言うから驚いた

「どういう事?」

「女の子って言われて、いざ生まれたら、男の子だったって」

あらら

「そういえば、颯からの伝言。
佐々木の異動は本社の方だって
海外事業部は、まだ発足してないし、
向こうに出来上がってから、考えるって」

「そっか。本人にもそれは伝えるって言ってたから」

「うん」

「?どうした?
何か悩み事?」

くすくすと笑うお母さん