あなただけ見つめてる


「だったら余計に実家にはいかない」

「そっか」

「ここで見つかったら、潔く
諦めるよ。さっきの電話で、颯の本音が少し聞けた気がするから」

「そう」

「お姉ちゃん。お風呂出たよー」

「はーい」

雪の声に反応して、お風呂場へ

「んー。いい匂い」

そう言いながらバスタオルで体をふいて、髪の毛を拭くも
拭ききれず

「はい。このままリビングね」

「はーい」

パタパタと小走りしながらリビングの方へ

リビングの方が暖かくて、風邪をひきにくいし

「あたしも出ていい?」

「もちろん」

子供みたく戻ってる愛に
苦笑いしかできなくて
でも、そんなところも可愛いって
思えたの

バスタオルで髪をくしゃくしゃに拭いて

「あとは、やれるよ」
って恥ずかしそうに言われた