あなただけ見つめてる


後日

あたしは小さな教会にいる。
真っ白なウエディングドレスを着て

視線の先には結城がいてくれる。

「結城。紗菜を頼むよ」

「はい」

お父さんから結城の所へ移り
こうして、いられるのが奇跡かも知れない

「夏目結城さん、あなたは橘紗菜さんを妻とし、神の導きによって夫婦になろうとしています。汝健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」

「橘紗菜さん、あなたは夏目結城さんを夫とし、神の導きによって夫婦になろうとしています。汝健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」

横を見ると、ふっと笑ってくれたような気がした結城の横顔

誓いのキスをして
チャペルの外に出て、ブーケトスをして
それを拾ったのが、なぜか
男の人だったせいか、笑いが起きた