あなただけ見つめてる


どういう事・・・?

「紗菜。あたしが、こいつとホテルにいたのは事実。
だけどね?一緒に居たわけではないのよ。
他の人も一緒に居たんだから。
それとジュエリーショップに入ったのは、コイツのせい」

え?

「ホテルで、連絡が来て慌てて
買いにつれていかれたんだから」

どう・・・して

「全部。紗菜の為でしょ」

あたしの・・・ため・・・?

「高校の時も、あんたがいなくなってから
コイツ荒れに荒れまくって
女もとっかえひっかえ。
だけどね。どれだけ告白されても、
コイツOKを出すことは1度もなかったわ」

「そう・・・なの?」

「で、高校3年の時。
小父さんに会社を立ち上げたいって言ったらしいわ」

「へ?」

「それも、紗菜を連れ戻すためだけでしょ。どうせ」

「うるせぇ」

「で。海外に部署を構えたいって言ったときにあたしに声をかけてきたのよ」

「どういう・・・」

「あたしはね。通訳の仕事をメインにしてるの。
だから、ほとんど日本にいなかったんだけどね。
どっかの誰かさんがあたしを会社から引き抜いて、自分の会社に入れ込んだんだから仕方がないけど・・・
それに。あたし一応結婚してるし。
旦那がこんなのなんて御免だわ」

え?
えぇぇ!?

「リカ、結婚してたの!?」