あなただけ見つめてる


どうして?

「リカ・・・」

リカがここにいる。
きっと、そういう事なんだ。
リカと結城は付き合ってる。
離れてくれてありがとう。
そう言いたいんでしょう?

「おめでとう。よかったね。幸せに」

「あ?」

「あたしは、もう必要ないでしょう?
スイスにいても、居場所がなくて
それでも、ここまでこれたのは、指輪があったから。
だけど、結城は違うでしょ?
あの時と、何も変わってない。いつも、いつも違う女の子がいる。
それが、今は”リカ”ってだけ。
あの時の言葉も、信じなきゃよか「良かった。なんて言わせねぇ」」

・・・っ

「紗菜。何か勘違いしてない?」

「勘違い?何が?
2人で腕組んで、ホテルから出てくるのを見て。
ジュエリーショップに入るのを見つけて
それの何が勘違いなの?
現に、結城はあたしが小母さんと話しても
あたしに最初、気づかないくらいだもん。
あたしなんかどうでもいいんだよ。
これで良かったよ。あたしは
また、スイスにかえ」

「帰らす分けねぇだろ。
つか、2度も俺から離れるなんて許さねぇ」

!?

「あの時だって。今だって、お前を話さないために必死なんだよ」

「え?」