「あはははは。高校生だよな?一年生?」
ひとしきり笑ったあとできた優しい笑顔だった。

「あ、はい。そうです。」
「どこの高校?」
「えっと、狭間です。」
「あ、そうなの。じゃあ俺の後輩だ。」にかっと笑って親指を立てるその仕草は、なんとなく古くさい感じがしたけれど、良い人そうでよかったと、生まれて初めてのバイトで緊張した胸を撫で下ろした。



そのうち店長が入ってきて、
「おーい、佐藤。お前休憩時間過ぎてるぞー。早くもどれ。」と店の方に顎をしゃくった。
「へいへーい。」と気のない返事をしながら、佐藤さんは部屋から出て行った。