旧校舎の階段をを駆け上り、 彼が立っていたベランダから 雨脚が強くなる校庭を見下ろす。 あの日、彼は何故ここで弱さを晒したのか。 古い破れたトタン屋根の隙間から 溢れてくる雨に体を濡らして ぼーっと狭霧君の事を考えていると 外で練習をしていた野球部が 室内練習に変更だと声をあげながら 旧校舎1階に入ってくる。 騒々しさに目線を一階にいる野球部に向けていると、大きな背中で清潭な顔つきの見覚えのある人が旧校舎に入ってくるのが見えた。