ツカツカと歩いて来た高坂さん。
 いきなり堀田の腰に向かって回し蹴りをした。
 勢いで堀田は大きくフラついた。

「何だよじゃないだろうテメェーッ!? アタシを差し置いて、他のコに手を出しやがってー!」とまあ、怒り心頭の高坂さんである。

「お前には関係ない事だろう!?」

「あるんだよぉッ! 同じ女として許せねーんだ!」

「俺を捨てた元カノから! そんな事を言われる筋合いは…」

 俺たちはここで高坂さんの意外な一面を目の当たりにした。

 いきなり左片手を突き出した高坂さん。