二年になって、叶斗とあの子は同じクラスになった。




これでやっと進展する。




そう思っていたのに、叶斗は教室に行かなかった。




口には出さないけど、教室に行くようになって俺にからかわれるのが嫌なんだろう。
ほんと分かりやすい。





助け舟を出してやろうかと思ったけど、それは無用だった。




叶斗とあの子は廃校舎の空き教室で偶然出会った。
それこそ、少女漫画のように。




二人は結ばれるべくして出会ったんだと、寒い言葉が頭の中で出てきた。






お弁当を作らせたのは驚いたけど、同時に感心もした。
普通彼女になってからやらせることを、出会った日にやらせるなんてやるじゃんって。
それも長くは続かなかったけど。





協力してあげようかって言ったら、真面目な顔で余計なことすんなって言うから、温かく見守ることにした。
それくらい本気なんだって。




でも、油断していた。
恋には、いくつもの試練があるってこと。





偶然、藤宮さんとあの子の会話を聞いた。




彼氏がいるのに、叶斗のことを好きだと言う藤宮さんは純粋に好きってわけじゃなくて、何か企んでいる感じだった。





でもあの子は、叶斗に作って来たお弁当を藤宮さんに渡した。
泣きそうな顔をして。