「悪いけど、愛依ちゃんいるし、もう他の女の子と遊ばないから。君がどれだけ言い寄って来ても、もう構わないから」




そろそろ愛依ちゃんが来る頃だもんね。




こんな状況見られたら、誤魔化せないし。







「何、よ、それ。もう成瀬くんなんて知らない!」




結構ですよ。
むしろ、その方が好都合だから。








「変わったな、お前」





女の子がどっか行った後、教室の後ろの方から声がした。






教室の開けたドアに寄りかかって立つ叶斗の姿があった。






「そりゃあ、俺だってもう、一人の女性を愛する男だから。いつまでも女遊びなんてしてないよ」






女の子と遊ぶのが大好きな俺にとって、女の子に興味のない叶斗にも一人の女の子に執着する叶斗にも意味が分からなかった。
好きな女の子がいるって、凄く幸せで楽しいことだ。






「ふっ。お前もようやくマシな男になったってわけだな」




「偉そうに言わないでよ。経験なら俺の方が上だから」




「お前こそ偉そうに言うな。威張れることじゃねぇから」




叶斗とこんな話ができるのも、愛依ちゃんのおかげなのかな。