「ねぇ、成瀬くんはクリスマスどうするのぉ?」



「どうするって?」



学級で委員会に行った愛依ちゃんを待っている間、一人の女子が寄って来た。
愛依ちゃんと付き合う前に仲良くしていた女の子の一人だ。





前の俺なら愛想よくスキンシップも激しく接していたんだけど、愛依ちゃんという彼女ができた今、正直他の女なんてどうでもいい。





「えぇ?分かっているでしょぉ?誰と過ごすのってこと!」




前みたいに胸をしつこく当てる。




学校一の美女と付き合っているんだから言い寄る女の子はもういないと思っていたけど、クリスマスが近づくとそうでもないらしい。





みんな欲情して彼女の存在なんか忘れてしまったかのように、言い寄ってくる。






勘弁してよね。俺が女の子にきつく言えないことを良いことにさ。






「誰とって……もちろん愛依ちゃんとだよ」






遠回しに君達とはもう一緒にいないと言うと、分かってないのかまだ笑っている。





愛依ちゃん、結構嫉妬深いからこういうのもやめて欲しいんだけど。






「じゃあ、朝だけでも一緒にいようよぉ。去年だってそうだったじゃなぁい」





なんか段々いらついてきた。





しつこいんだよ。優しく言っているうちに懲りろっつの。