「あっれぇ?君可愛いねぇ。一人?一緒に遊ぼうよぉ」






な、何この人達……。




桐ヶ谷くんと成瀬くんと同じように不良みたいな見た目だけど、何だか全然雰囲気が違う。





いやらしく私の腕を掴む手が、気持ち悪い。




ど、どうしよう。この状況で光凛が出てきたら……巻き込んじゃう!






「お?遊んでくれんの?嬉しいなぁ。桐ヶ谷の彼女誘っても全然靡いてくれないからさぁ」





桐ヶ谷くんの、彼女?
それって、光凛のこと?







そういえば、桐ヶ谷くんと付き合ったって聞いた時、同時に桐ヶ谷くんに喧嘩を売っている不良に何度も襲われた話も聞いた。






それが、こいつらってこと?





「あ、もしかして怖いの?」




「大丈夫だって。俺達反省して、女の子には優しくするって決めたから」






反省したなら声かけないでよ。
しかも簡単に人の腕掴んでくれちゃって。






何とか光凛がいる試着室からは離れたけど、人気のない所に来ちゃった。




男の力に勝てるわけないし、このまま逃げたって追いかけて来るかもしれない。





下品に笑う男達の私を掴む手が、段々強くなってきた。







光凛、こんな怖い目に遭ったんだ。






「ねぇ、そんなとこで何してんの?」




体が震えてきた時、誰かの声が聞こえた。





この声、は……






「なる、せ、くん……」