「お待たせ!」




「ねぇ、クリスマス用の服もう買ったの?」




オシャレには疎いみたいだけど、まさか買ってない、なんてことないよね。


だって桐ヶ谷くんと付き合って初めてのクリスマスなんだし。






「え?家にある服着て行こうと思っているよ。可愛い服もあるし」





まさかだったよ。
そんな気はしていたけど、ここまで予想通りだとは思わなかったよ。




「愛依?どうしたの?」





キョトンとする光凛の腕を掴んで、歩き出した。




こうなったら、今以上にラブラブになってもらわないと!





「服、買いに行くよ!私が奢ってあげるから!」




「えぇ!?」




雑貨店の近くに可愛い服屋さんがあったから、時間はかからなかった。
この駅で結構遊べるんだよね。






「あ、あの、愛依?やっぱり悪いよ。服を奢ってもらうなんて……」





遠慮がちに言う光凛の頬を引っ張ってやった。




遠慮してばっかり。
私が彼氏だと偽って他の女の子とお弁当を食べている時だって、本当は寂しいくせに大丈夫なんて言っちゃって。
もう少し、人に甘えることを覚えないと。





「気にしなくて良いの!今日は光凛プロデュース大作戦だから!」





我ながらネーミングセンスないなぁって思うけど、この際そこはどうでもいい。






桐ヶ谷くんをあっと言わせるような可愛い子にしてあげるんだから!







光凛が持ってくる服は長ズボンとかTシャツばっかりで、全部却下した。
お家デートじゃないんだから。