クリスマスまであと一週間となったある日。



突然光凛に呼び出され、駅前の雑貨店に行った。
女子に人気があって、私も何度か行ったことがあるお店。




「光凛!どうしたの?」




声をかけると笑ってくれたけど、また難しい顔をしていた。





そういえば光凛って、クマのぬいぐるみ好きだったな。







「あのね、叶斗にあげるクリスマスプレゼント選んでいるんだけど、どうしようかと思って」




え、もしかして桐ヶ谷くんにクマのぬいぐるみあげるつもり!?
いや、悪くないけど。。似合わなさ過ぎるよ。
でも……。





「私の好きなぬいぐるみあげて、叶斗がいつも私のこと考えてくれれば良いなって思うんだけど、やっぱり叶斗には似合わないよね」





桐ヶ谷くんのことを話す時の光凛は本当に楽しそうだから、悪く言えないな。





「良いんじゃない?光凛から貰った物なら何でも嬉しいと思うよ?」




光凛が桐ヶ谷くんのことを好きな以上に、桐ヶ谷くんは光凛のことが好きだと思う。





成瀬くんから聞いたけど、誰といる時も光凛のことしか話さないみたいだし。





私も、成瀬くんとそういう関係になれれば良いのにな。





「そうかな?本当に大丈夫かな?引かれないかな?」





普段サバサバしているくせに、桐ヶ谷くんのことになるとこうやって女の子になるんだよね。
それが恋の魔法なのかも。





「うん、きっと大丈夫!」




そう言うと、光凛はぬいぐるみっを持ってレジに向かった。






そういえば光凛、クリスマスデート用の服もう買ったのかな。