桐ヶ谷くんと付き合うことになってから一週間の月日が流れた。


私達は毎日空き教室で昼休みを過ごしている。



そう、桐ヶ谷くんがちゃんと教室に来るようになってからも私達はあの空き教室で二人でお弁当を食べている。
私達にとって特別な場所だから。




「あ、成瀬くん!」



昼休み。
桐ヶ谷くんと空き教室に行く前に、愛依とどこかに行こうとしていた成瀬くんに声をかけた。
この一週間、ずっと言えなかったことを今日こそ言おうと思って。



「どうしたの?」


愛依と共に振り返り、私の方を見てくれた成瀬くんに駆け寄った。




「あの、この前はありがとう。空港まで送ってくれて。それと……」



ほら、言うんだ光凛。
もう分かっているだろうけど、ちゃんと言葉で伝えなきゃ。



「良いよ。気にしなくて。俺も、新しい道見つけたから」


そう言いながら、チラッと愛依の方を見る成瀬くん。




空港まで送ってくれた日。
二人は付き合うことになったらしい。
驚いたけど、愛依の気持ちが通じたんだって嬉しくなった。




「それよりも、光凛ちゃんは叶斗のこと考えてな。じゃないと、俺が殺されそう」



「え?」



成瀬くんに無理矢理振り向かされると、そこにはこちらを睨む桐ヶ谷くんの姿が。




な、何であんな怒っているの!?