「魔法使いには、運命の人がいるんだ。魔法使いはその相手以外とは結ばれない。俺の運命の相手は君だったんだよ」

ずっとこうしたかった、とエドヴァルドはニナに優しく触れる。ニナは焦った。

「ねえ!私、学校があるの!!バイトも行かなきゃいけないし、友達や家族だって……」

言葉を続けようとするニナの口が、エドヴァルドのキスによって封じられる。吐息が部屋に響き、ニナの頭はクラクラした。

「学校はもう行かなくていいよ。もちろんバイトもね。友達や家族には、俺が信頼できるようになったら会わせてあげる。ニナはこの家からそれまで出られないし、二十四時間ずっと俺と一緒にいてもらうからね」

また、ニナの口がキスによって塞がれる。エドヴァルドはしっかりとニナを抱きしめていた。

両想いになったその日、ニナは自由を奪われた。しかし、好きになった人に監禁されるのなら恐怖を覚える必要はないだろう。ニナはそう思いながらキスに応えた。

エドヴァルドから逃げたところで、ニナに居場所はない。ノルウェー語はおろか、英語も話せないのだ。エドヴァルドのそばにいるしかない。

部屋に、リップ音が絶え間なく響いた。