ククク。
白川さんがおかしそうに笑いだした。

「一華ちゃん素直だねえ。面白い」

お腹を抱えてまだ笑ってる。

「本当にすみません。巻き込んでしまって」

白川さんからしたら、迷惑な話でしかないはず。

「もういいよ。事情はわかった。でも、俺にも色々あって簡単に見合いを断ることができないんだ。できたら君から断ってもらうか、自然消滅を狙いたい」

どうやら相当の事情があるみたい。

「父に話して、お断りするように言います」
「できるの?」
「なんとかします」

するしかない。
私が一番悪いんだから。

「よし、せっかく来たんだから遊園地を楽しもう」
立ち上がって私の手を取った白川さん。

「えー、もう無理です」
あのジェットコースターは2度と乗らない。

「大丈夫、もう怖いのはないから。まずは、観覧車に乗ろう。高いところは平気だよね?」
「はい」


白川さんに腕を引かれ、2人で観覧車に乗り込んだ。

「うわー、すごい。いい眺め」
「そうだね。ほら、あそこが美園幼稚園」
「本当だ」

同い年って事は、きっと幼稚園でも会っていた私達。
記憶はないけれど、今こうして一緒にいるのは不思議な気分だな。

その後、メリーゴーランドやコーヒーカップに乗り、私は十数年ぶりの遊園地を満喫した。