「私達の関係は何なの?」
以前から聞きたかったことを口にした。

「仲間、友人、同志。かな?」
「会社の仲間?友人の1人?って事?」
「ああ。でも。鈴木は特別だ。共に戦う同志だからな」
「高田の中で、私は女ではないのね?」
「鈴木はカテゴリーになんて分けられない」
「でも・・・」

真面目な高田が私を家に呼ぶのは今付き合っている人がいないから。でも、高田に好きな人ができれば、私はもうここに来ることもなくなる。その程度の存在って事?

「詳しいことは言えないが、俺は誰ともつきあう気はないし、もちろん結婚するつもりもない。それは鈴木だからって事ではなくだ。色々と事情があるんだよ」

「ふーん」
事情は私にもあるから、詳しくは聞かない。

「なあ鈴木」
「なに?」
「1つだけ言っておく、この部屋に女性を入れたのは鈴木だけだ。これからもお前以外入れる気はない」

え?
意外だな、高田ってモテそうなのに。

「正直、俺はお前が好きだと思う。一緒にいるとくつろげるし、楽しいとも思う。でも、先には進めない。理解してくれ」

好きだの一言が、頭の中でグルグル回っている。
きっとこれは、Likeって意味で、loveではないんだ。
でも、うれしい。

「卑怯かもしれないが、お前に好きな人が現れたら、俺は邪魔する気はない」
「うん」

返事をしたものの、何か腑に落ちない。
でも、苦しそうな顔が、これが精一杯なんだと言っている。
きっと私は高田を困らせてしまったんだ。

「ごめん、帰る」
「ああ、送るよ」