潤の宣言通り、私は入院させられた。

発作さえ治まれば後は自宅療養でいいはずなのに、どんなにお願いしても退院許可がおりない。
理由はわかっている。潤を怒らせてしまったから。

「おはようございます」
病院の朝は検温から始まる。

「体調いかがですか?」
「絶好調です。早く帰りたいんですが・・・」

「それは、先生に聞いて下さい」
看護師さんも半笑い。

大体、小児外科の医者が何で私の担当医なのよ。おかしいでしょうが。
いくら親しいからって、職権の乱用、越権行為よ。

「あれ、朝から元気ですね」

現れたのは、潤と一緒に私を診てくれている内科の先生。

「そうなんです。すごく元気なんです。だから退院させて下さい」
この人がいいって言えば私は帰られる。

「うーん、もう少し様子を見て来週くらいに帰りましょうか?」
「ええー」

「こら。何子供みたいなこと言っているんだ。いい子にしていろ」
と、後ろから現れた潤。

手にはなぜか点滴セットを持っている。