翌日、ほとんど寝ていない体は絶不調。
何度か律也さんからの視線を感じながら、なるべく近づかないように過ごした。
さすがに今は、何を聞かれてもうまく答える自信がない。

こんな日は早く帰ろうと、定時に会社を出た。
ここのところ寝不足が続いているから、ゆっくり休まないと。
もう心も体も限界。
しかし、そんなときに限って潤からの誘いがあったりする。

もちろん、ただ誘われただけなら私だって断っただろう。
でも、今日の夜かかった電話はいつもと違っていた。

「今から出てこられるか?」

潤にしては珍しく覇気がなくて、無駄に笑ってみせる声も弱々しかった。

「うん。大丈夫だよ」
私は迷うことなく返事をした。

こんな潤を放ってはおけない。