次に目が覚めたとき、見たこともない場所に寝かされていた。

「一華、気がついたか?」
「うん。ここは?」
「うちの系列病院だ」

フーン、浅井って何でもあるのね。

そうだ、
「私、急にお腹が痛くなって」
「うん。守口が『具合が悪いのにひどいことを言った』って謝っていた」

そんな、
「守口さんは悪くないのよ」
「うん、わかってる」

「で、守口さんは?」
「帰した」
「え?」
「潤も帰した」
「何で?」

「一華と2人になりたかった」

ベットの横にあった椅子から一旦立ち上がり、私を抱き上げた鷹文はそのまま部屋の隅に置かれていたソファーへと腰を下ろした。

「ちょ、ちょっと」

ここは病院で、いくら高そうな個室とはいえいつ誰が入ってくるかわからない。

「鷹文おろして、恥ずかしいから」

「イヤだ。もう、遠慮はしない」

言いながら唇を重ねてきた。
執拗に求められ、いつしか頭がボーッとしだした。

「一華、息をしろ」

ああ、うん。

「相変わらず不器用だな」
「悪かったわね」

プッとふくれた頬を、鷹文が両手で包み込む。

「この顔を見せるのは俺だけだ」
「うん」

あれ、鷹文ってこんなに独占欲の強い人だったっけ。