いつもの3倍は疲れた午前の勤務が終わり、昼食時の社食。

私はもうヘトヘト。
できればこのまま自分のベットに倒れ込みたい。
誰とも口をききたくない。
手の焼ける後輩も、意地悪な部長も、横暴な取引先も、みんな消えて欲しい。
私なんか介さずに3人で直接話した方が早いと思うんだけれど。
なぜかみんな私に言ってくるから、まるで私が1人悪者のようじゃない。

「一華さん大丈夫ですか?」
「うん」
本当に、心配してくれるのは可憐ちゃんだけだよ。

あれから、小熊くんからは無事に荷物が着いたと連絡があり、部長も工場長に連絡してくれた。なんとか大事にはならずに治まったんだけれど、何度も部長に絡まれた。
まあ、仕方ないかな。
部長に迷惑を掛けたのは確かだし、どれだけ悪態をついても仕事はきちんとしてくれる。そうでなくちゃ上場企業の営業部長なんて務まるはずがないんだから。
一昔前のサラリーマンと思えばいいか。

「本当に大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」

なかなか食事の進まない私を可憐ちゃんが心配している。

「ああ、昨日飲み過ぎてね」
「朝帰りですか?だからその服?」

うん。
頷いた。

「もしかして、彼氏ができました?」
「違うから」
「だって、一華さんらしくないし」

怪しいぞって顔をする可憐ちゃん。
さすが女の子は鋭いわ。