15分後。
外回りで間に合わなかった数名を除いて、25人ほどが集まった。

ザワザワ。
みんなが口々に色んな憶測をたてている。

バタン。
会議室のドアが開き、
「急に集まってもらって申し訳ない」
鷹文が現れた。

同時に配られた資料には、20社ほどの社名と取引の記録が載っていた。

「実は今、複数の企業から取引中止の申し入れがきている」

「「ええー」」
室内が一気にざわつく。

「今配った資料のうち、上から5社は完全に取引がなくなる予定だ。残る企業とは個別に対応しているがまだどうなるかわからない」

「何で急に?」
どこからともなく声が上がった。

「それも調査中だ」

随分長いこと取引をしてきた企業がほとんどだし、大口の取引先だって含まれている。
このままじゃあ、会社としてマズイ。

「みんな心配だろうが、担当の訪問を強化してもらってこれ以上影響が広がることのないように努力してくれ」
「「はい」」
返事はしたものの、みんな動揺している。

それはきっと鷹文も一緒。
心配だけど、忙しそうな鷹文には声を掛ける暇もない。