同期のあいつ

話をしているうちに料理が運ばれてきた。

最初に運ばれてきたのはサラダとスープ。
私は深緑色のスープにスプーンをつけ、口へと運ぶ。

「うーん美味しい」
つい声が大きくなった。

ククク。
楽しそうに笑う白川さん。

「すみません」
つい興奮してしまった。

「いいんだ。でも、一華ちゃんはとっても美味しそうに食べるね」

笑顔で言ってもらっているけれど、褒められている気がしない。

「すみません。落ち着きがなくて」
「君らしくていいよ」

だから、それがイヤなのに。

「いい年して子供みたいだと反省しています。今日の昼にも後輩にからかわれたばかりですし」

そうか、こういうところが小熊くんにつけ込まれる原因なのね。
じゃあ、悪いのは私?いや、違うから。

「華ちゃん」

え、ええ?

「どうしたの、何考えてたの?」
「いえ、あの・・・」

せっかくこんな素敵な店に連れてきてもらって、考え事をしてしまったことが申し訳ない。

「昨日の上司の事?」
「いえ、違います。あいつは・・・」
今日の言い合いを思い出して言葉に詰まった。

「ん?喧嘩でもした?」
「・・・はい」
驚くくらい素直に答えていた。

「話してごらんよ、俺で良かったら聞くから」
「でも・・・」

躊躇いはあった。でも、白川さんになら話せる気がした。

「実は・・・」
今日の朝からの出来事をかいつまんで話し、
「大体、おかしいと思いませんか?先週はあいつの為にみんなが無理をしたんです。少しでも申し訳ないと思うなら、低姿勢でいて当たり前じゃないですか?それなのに、怒ってばっかりで。あんな奴だとは思いませんでした」

1日溜っていた不満を一気に吐きだした。