「よっ!」

俺は数学の準備室に入った
今は授業中
でもマコには担当のクラスの授業は
入ってなかった

「瑛ちゃん
どうしたの?」

「スミレからの伝言を伝えに」

「スーちゃん?
なんで瑛ちゃんがそんなことを?」

「保健室に来て
俺に話してくれたから

最近、家に帰ってないんだってな?

スミレが寂しがっていた

光汰も俺もいなくなって
マコまでいない部屋に一人でいるのがつらいって
泣きそうになってた」

「スーちゃんが?」

「そう
寂しいと勉強に身が入らないから
きっと今度の試験は悪くなるんじゃねえの?」

「わかった
努力する」

「何を努力するんだ?

光汰と会え
それで気持ちは話せばいいだろ」

「できないよ
光ちゃんは私をもう選ばない」

「そんな乱れた生活を知ったら
光汰は悲しむ」

「でも光ちゃんは知らないわ」

「知ってるよ」

「え?」

「光汰は定期的に
スミレと連絡をとってる

マコの心配ばかりしているそうだ

ゴールデンウイークに
マコの顔が見たいって
言っていたから
マコを連れて行きたいって
スミレが話してたぞ」

「本当に?」

「ああ」

マコが首を横に振った

「でもきっと
心配しているだけで
私を抱いてくれない」

「抱かれたいのか?
光汰とはそれだけの関係だった?

マコは癒されてたんだろ?
光汰の優しさに

だから光汰がいない生活に耐えられない
その気持ち正直に話すべきだ」