ガタン!

ドアに何かが当たる音がした

私は驚いて
体が震えた

瑛ちゃん?

私はゆっくりと扉を開けてみた

扉のすぐ近くに瑛ちゃんが座り込んでいた

「瑛ちゃん?」

「スミレ?」

瑛ちゃんが疲れた顔で
私を見つめた

「なんでここに?」

「わかんないけど
気がついたら、ここに足が
向いていたの」

「ドア、閉めて」

私は保健室の扉を閉めた

瑛ちゃんは立ち上がると
机に向って歩き出した

「カフェにスミレがいたのは
驚いたよ」

「私も
瑛ちゃんが来るなんて
びっくりした」

瑛ちゃんは髪を掻き毟る

綺麗に整えてたあった髪が
一気に乱れた

「私、悔しかった
瑛ちゃんがお母さんと
キスするのが悔しかったよ」

お母さんさえいなければ
私と瑛ちゃんは

冗談を言い合いながら
付き合ってた

ときどき
互いの体に触れあって

ぬくもりを確かめ合えていたのに

私はお母さんに不幸される

いつも
いつも

でも私に解決策が見つからない