仕事だと
見え透いた嘘をついて

桜さんは出かけて行った

別に正直に
言ったって
俺は何も言わないし
言うつもりもない

新しい男ができたから
出て行けと
言うなら

いつでも
出ていく

でも桜さんは
俺を離さない

実家に帰ることも
許されない

休みの日で

桜さんが他の男と会っていても
俺は
桜さんの家で
一日を過ごす

桜さんが残した香水の匂いに
包まれながら

俺は
新聞を読み

それからベッドで横になった