「おい河瀬。古海をいじめんなよ」




海斗はゆなの肩を掴んだ。




ゆなはその肩をじろりとみて、手を振り払い帰って行った。




「相変わらず態度悪いよね...」




下校時刻になり、古海は一人の時間となった。




一人になるとよく考え事をする。




最近思っていること、それは、海斗の事だった。




古海は、來が古海に言った言葉を、ふと思い出した。




「古海は、それでいいの?海斗のこと、好き?」




海斗と、真剣に話さなければいけない。




そんなことは、古海はとうに分かっていた。




けど、好きじゃないからと理不尽な片側の思いだけを尊重して別れることなど、絶対できない。