正しい恋を教えてください。

ハルは、迷わず走っていった。




走っているときは、すごく呼吸がしずらかった。




無我夢中で、こちらに背を向けた女の子の顔が見たい。




その女の子の腕を掴んだ時やっと呼吸ができた。




女の子は、振り向こうともせず、ただ、肩を震わせて、泣いていた。




「古海...」




古海の肌は氷のように冷たかった。




ずっと、ここで待っていたのか、その場で泣いて動けなかったのかわからない。




肌と心は、11月にさしかかろうとしている風の冷たさが、鋭く尖った針のように痛い。




「嘘は...つかないで...」