ハルは海斗を、中庭へと連れて行った。




「なんだよ...。自慢にでもしに来たのか?」




「ちがう。謝りに来た」




するとハルは大きく頭を下げた。




「俺は、お前らが付き合ってる時、美影に何度かキスをしたことがある。」




その瞬間、頭を下げられて戸惑っていた海斗は、一変変わってハルの胸ぐらを掴んだ。




「じゃあ、お前がいなかったら、まだ俺たちは付き合ってたってことか?ふざけんなよ!」




「まだ、俺は美影に気持ちを伝えてない」




ハルがそう言うと、海斗は手を離した。




「言う気か?」




「いずれ」




「...。ハル。絶対に古海を悲しませないでくれ」




それが海斗の最後の古海への離れるための言葉だった。