「うるせぇ」

突然の声に驚いて、びくりと肩を揺らす。

声の聞こえた方へ視線を向けると、 そこには椅子に腰をかけ腕組みをする黒髪の男の子がいた。

「人様の家で、 起きて早々騒ぐんじゃねぇよ」

ゆっくりと立ち上がり、 こちらへ近付いてくる。

人様の家? どういうこと?

怯えて動けずに、 黙って見つめていると
彼はベッドに手をついた。

その反動で、スプリングが弾む。

「リオが助けなかったら、 お前は今頃死んでたはずなのによぉ」

「えっ...」

助けなかったら?

てことは、 私はその『リオ』という人に助けられて生きてるってこと?

死んでないんだ......

「こらテルくん、 女の子にそんなに近付いて、 ナニ始めるつもり〜?」