「……シンデレラ、ねぇ。荒瀬の捨て駒のくせに」 「なぁーんにも知らないなんて、つくづく可哀想な子。フフッ……」 聞き覚えのある、女の低い声と、耳につく甘ったるい間延びした声。 とっさに音の方向へ首をひねっても奴らはいない。 今の声は幻聴だったのだろうか。 そこに、美花と実莉がいた気がした。