「や、やぁ!」



驚きすぎて、普段出ないような声が出た。


手で胸を隠して、彼に背中を向ける。



「チッ、全裸じゃねえのか」



なぜか残念がってる荒瀬さん。


全裸じゃなくてよかった。って、そうじゃなくて。



「出て行ってください」

「安心しろ。お前の体はすでに調べてるから、とりあえず今は手を出さねえ」



体を調べてる?いつの間に?



「それより……」



耳を疑い、荒瀬さんを一瞥(いちべつ)したとき鳥肌が立った。



「なんだ、この痕は」



低い声で、冷たい手が、怒りを(にじ)ませわたしの腕を掴み上げてきたから。