本気で実行しそうな雰囲気だったので、バスルームの場所を教えてもらって退散。


急いで服を脱いでシャワーを浴びることに。



「……ふう」



これからわたし、どうなるんだろう。


熱いシャワーを浴びながら、頭に浮かんだ漠然(ばくぜん)とした疑問。


今はあの家族からも、黒帝からも隔離された状況にある。


だけどその代わりわたしは───


荒瀬志勇の、おもちゃとして生きていくの?


何もかも分からないあの男。


バーに勤めていたときに聞いた噂じゃ、冷酷無慈悲で悪魔のような人間だと言われていた。


けど、実際会った彼はよく笑う人で。


……笑ったら変なことしか言わないけど。



「もう、出よう」



いくら考え込んでも収集がつかない。


10分経つ前に早くバスルームから出なくちゃ。