「ねえ、それより聞きたいことがあるの」

「ん?」

「剛さんと光冴はどうなったの?
それから理叶はいつ頃帰って来れる?」



尋ねると、志勇は顔を曇らせた。


……まさか。



「……最低はどっちだ。
やっと再会したと思ったら別の男の話をべらべらと……」



と思ったら志勇は嫉妬をしていただけみたい。



「ねえ、そういうんじゃないから、教えて?」


「……剛は腹を打ち抜かれたが、運良く臓器は破壊されてなかったから、あと1月もすれば病院を出れる。

光冴ってガキは弾が肺をかすって身体を貫通した。
退院までは遠いが命に別条はない。

潮崎のせがれは、そいつが弾の威力を削いだおかげで筋肉のところで弾が止まったらしい。
全員が戻ってくるのは、そうだな。寒さが明けた頃だ」

「そう……」



命は助かったっていうけど、傷は一生残る。


一部の責任はわたしにあるとうつむくと、不機嫌に指をトントンしている志勇に気がついた。




「それで、俺の心配はねえの?」

「あ、わたしをいじめるくらい余裕だし、もう治ったものだと……」

「なんだその基準。まあだいぶ良くなったが。
ただ、走ったりするのはキツい」


そう言って右の太ももをさする志勇。その手の上に自分の手を置いて早く完治してほしいと念じた。



「肩も撃たれたよね?」

「見てたのか。心配しなくても、あれはかすり傷程度だ」

「……志勇」



たまらず、謝ろうとしたそのとき。