「若頭!こいつらの処分はどうするおつもりで!?」



なんて惚けていたら、野太い声にはっとした。



「うるせえ」

「……は?」



でも、我関せずといった様子で、わたしの身体を抱き寄せる志勇。


指先がわたしの頬を伝い、徐々に指の腹で肌を刺激していき、顔を包み込むようにして手のひら全体触れる。


この綺麗な手が、少し冷たくて心地いい彼の手が好き。


とろけてしまいそうで気持ちよくて、目を細めた。






「俺は壱華さえ取り戻せりゃ、それでいいんだよ。
俺を撃った男の後始末なんか知るか」

「なっ、それじゃ示しがつかねえ!」




今度は顔を近づけて頬をすり寄せてきた彼。


志勇の肌はすべすべだからとても気持ちいい。



「落とし前つけるってのがせめてもの道理だろうが!」



そんな自由気ままな若頭へ、口々に意を唱える荒瀬の長老たち。



すると、志勇の隣に銅像のように座っていた組長さんが動いた。


ゆっくりと腕を組み、深くため息をつく。


それだけの動作で、その場にいる者たち全ての目が彼に向けられた。