SIDE 志勇


時計の針は午前7時を指していた。


俺が昨日帰宅したときは、確か夕暮れ時。


つまり俺は一晩中壱華を抱いていたことになる。




乱れたベッドの上でシーツを纏い、静かに寝息を立てる壱華。


はだけた白い肌に情欲が湧き上がる。


あれだけヤったのに、今すぐにでも起こして襲ってやりたいと思う俺は発情期のサルか。



まったく、こんなんでよく我慢できたもんだ。


単純に計算すると、俺は壱華と出会ってから半年近く女を抱かなかったことになる。


月に何度も抱く女を変えていたこの俺がだ。



しかし壱華を手に入れたと同時にそれはぱったりなくなった。


理由は分からない。ただ壱華に夢中だった。


なぜこいつなのか、考えて日を重ねるうちに惹かれていった。


初めて大事にしたいと思った女が壱華だった。



だから昨日は多少加減するつもりだったが、無理だった。


むしろこんないい女に手を抜くなど無茶な話。


要は俺と壱華は身体の相性もいい。





とはいえ昨日は無理強いをさせた。


だからもう少し眠ってもらおうとシーツを掛け直したところ、手が壱華の肩に触れた。



「……ん」