その後、涼は美容師なのでお母さんの髪をカットしに来たということが判明。
少しふたりと話し合っていると、背後から男の人の声がした。
「絋香」
低くうなるような呼び声。
圧倒的な存在感を放つ気配。
「あら、冬磨」
振り返るとそこに厳格な空気をまとう組長さんの姿があった。
どうしたんだろうと涼と顔を合わせると、彼はゆっくりと足を踏み出した。
それと同時にお母さんが腰を上げる。
組長さんは一直線に立ち上がったお母さんの目の前に来て、彼女をじっくり観察。
「どうかしたの」
「お前を見に来た」
「わたしを?あ、髪を切ってもらったからね。
でも、少し梳いてもらったくらいよ。変化あるかしら」
お母さん以外まるで目に入らないといった様子の組長さんは、彼女の長い髪を指先で掬うと——
「ああ、綺麗だ」
笑った。
あの極道の代名詞のような組長さんが、お母さんに向けて微笑んだ。
しかも見たことのない優しさを表に出して。
その表情はいつも見る志勇の笑顔と重なって。
……志勇、あなたはやっぱりこの人の息子だよ。
「壱華、ちょっとあっちに行ってよう」
実感していると話しかけてきた涼。そちらを向くとなぜか涼の顔は真っ赤。
「う、うん。そうしよう」
確かにお邪魔虫な気がして、さっとおぼんを持ち上げて涼と足並みを揃えた。
少しふたりと話し合っていると、背後から男の人の声がした。
「絋香」
低くうなるような呼び声。
圧倒的な存在感を放つ気配。
「あら、冬磨」
振り返るとそこに厳格な空気をまとう組長さんの姿があった。
どうしたんだろうと涼と顔を合わせると、彼はゆっくりと足を踏み出した。
それと同時にお母さんが腰を上げる。
組長さんは一直線に立ち上がったお母さんの目の前に来て、彼女をじっくり観察。
「どうかしたの」
「お前を見に来た」
「わたしを?あ、髪を切ってもらったからね。
でも、少し梳いてもらったくらいよ。変化あるかしら」
お母さん以外まるで目に入らないといった様子の組長さんは、彼女の長い髪を指先で掬うと——
「ああ、綺麗だ」
笑った。
あの極道の代名詞のような組長さんが、お母さんに向けて微笑んだ。
しかも見たことのない優しさを表に出して。
その表情はいつも見る志勇の笑顔と重なって。
……志勇、あなたはやっぱりこの人の息子だよ。
「壱華、ちょっとあっちに行ってよう」
実感していると話しかけてきた涼。そちらを向くとなぜか涼の顔は真っ赤。
「う、うん。そうしよう」
確かにお邪魔虫な気がして、さっとおぼんを持ち上げて涼と足並みを揃えた。



