私はポスターから視線を外し屋上へ向かうことにした。
ここからなら傍の階段を登ってすぐだ。

普段なら鍵が掛かって入れないはずの屋上は開いており、そこには何人か見知った顔の面々がいた。

「彩月ちゃんおはよ!」

尻尾をパタつかせた子犬のような顔をして飛びついてきたのはレイジだった。
挨拶を返し、私はレイジの頭を撫でる。

それに顔を薄赤く染め子供扱いするなと怒るレイジを見て、私はにんまりしたのだった。

「ね〜俺も撫でてよ彩月ちゃ〜ん♡」

ミツキがレイジを押し退け私の前に現れる。

「近寄らないでくれる?」

一言そういい私はレイジへ視線を戻す。
それを見たアツミがゲラゲラと笑い始め、レイジは何故か得意気な顔をしていた。

その顔がまた最っ高に可愛い。