でも、この髪のおかげであの家を出られた。

その点に関しては感謝しかない。

などと考えながら私はウィッグをケースの中に片づけ、着替え始める。

「あ、この前買ったあれつけてこ。」

私はドレッサーの中からエメラルドグリーンのピアスを取り出し、耳たぶに取り付ける。

「やっぱ可愛い〜♡」

ピアスは光が当たってキラキラと輝いていた。