窓際、あの席で

5月になりました。私の男の子への苦手意識は、まだある中、高校最後の遠足に来ています!



「かほ~!?」


「あ、咲里!手危ないよ!!」


今は、バーベキューの準備中。私の高校は、遠足といえばバーベキューという感じで...
私はというと、野菜をぷるぷる震えながら切る咲里の横で、一緒に準備しているところ。

「かほっこれであってる?」

どうやら、咲里は料理が苦手らしい。
私は、家でもよく料理をするため、基本はできる。


「咲里、これはね!」


ふんふんとうなずきながら、咲里は聞いてくれる。あれ、でもふんふん言う声がもう一人いるような...

「柚くん!?」
横を見て、驚いた。咲里の横でうんうんうなずいて、私が野菜を切っているのをみていた。



「かほって、料理普段するの?」


「うっうん」


「だからか。上手いのな。」


柚くんにほめられると、照れる。



「柚~!?」



クラスの派手めな女の子たちが柚くんを探して、やってきた。

「ここにいたんだ。うちの班見に来てよ~」

「おっ了解」



そして、柚くんは他の班のところへ行ってしまった。



「いや、柚もこの班なんだから手伝ってよ...ね、かほ?」


「うっうん。」

咲里のため息まじりの声にあわてて、返事をした。

なぜか、柚くんが離れていってしまい、さみしいと思った。
さっきの女の子たちと笑いあっている柚くんをみて、胸が苦しくなった。

そんな気持ちに蓋をするために、一生懸命準備をした。





バーベキューも終わり、帰りのバスに乗り込む。
咲里の横に座り、ため息をつく。

「かほ?どした?大丈夫?」

さっき、感じた胸の苦しさがとれなくて、ため息をついて、咲里を心配させてしまった。

「ちょっとはりきりすぎて、疲れたみたい。」

あははっと笑う。

「大丈夫?肩に頭のっけていいからね!」

ありがとう。と言って、目をつぶる。
そして、ほんとうに体も疲れたようで、眠ってしまった。