窓際、あの席で

駐輪場まで一緒に歩き、自分の自転車の場所まで向かう。すると、なんと私の横の自転車が柚くんのものだった。

「おっ隣だな笑 ちょっと待ってな。出すから。」


なんと、柚くんが私の自転車まで、出してくれた。まだ、3年生も部活動を行っているから、たくさんの自転車がぎゅうぎゅう詰めになっているのだ。



いつも出しにくいんだよね。優しいな柚くん。



柚くんの優しさが心をあたたかくしてくれる。

ボーッとしていると、柚くんに呼ばれる。

「かほー?帰るぞ?」


「うっうん!」


2人で坂を降りていく。

「かほは、なにが好きなの?」


え、えっと。どうしよう。私が好きなものは、漫画。漫画のことになると熱くなっちゃうから、高校では言わないように隠してるんだよね。



「俺は、あの今はやりのバレーボールの漫画が好き!」


柚くんが答えたのは、私の大好きな漫画だった。


「それって!ふぁいとび?」


柚くんがめちゃくちゃ笑顔で


「そう!かほも好き?」


「うん!」


ふぁいとびの話で盛り上がって、気づけば、駅の駐輪場についていた。


「かほの笑顔初めて、見れた。これからも、よろしくな!じゃ!」


柚くんの後ろ姿を手をふって、見送った。
男の子とこんなに楽しく話せるなんて...
やっぱり、柚くんは、良い人だ!