窓際、あの席で

それから、3人で過ごすことが多くなった。
近藤 咲里ちゃんは、本当に次の日には、黒髪になってて、驚いた。咲里ちゃんは、すごく元気な女の子で、たまにぬけているが、しっかりしている。仲良くなって、2日目には、かほ、咲里と呼び捨てで呼び会うようになった。



呉藤 柚くんは、咲里の幼なじみ。とても優しく話しかけてくれる。


「柚~!教科書かしてー」

また、他クラスの女の子に呼び捨てされている彼。私の直感がこの人は、怖くないと言ったのは、間違いなかった。呉藤くんには、年の離れたお姉さんがおり、学年の男の子よりも女の子の理解がある。だから、女の子の友達が多い。



この間は、他クラスの女の子が呉藤くんに恋愛相談をしており、とても驚いた。


しかも、クラスの男子ともかなり仲が良い。
この学年の人たちは、みんな共通で呉藤くんを柚と呼んでいる。


こんな人気者が私なんかに話しかけてくれる、この現状が信じられない...

「かーほーっ」

「うわあ!」

急に咲里が話しかけるから、とても驚いた。

「何考えてたの~」

ちょっと1人の世界に入り浸りすぎたらしい。

「いや、なんでもないよ。」

「そういえば、昼休みなのに、柚こないね。」

たしかに、そうなのだ。呉藤くんは、お昼になると、咲里と私の横に椅子を持ってきて、座るのだ。そんな話をしていると、

「おやおや、旦那の心配ですか?」

やたら、ニヤニヤしてやってきたのは、クラスの男子。咲里と呉藤くんのことを夫婦だとかなんとか言っていじってる。正直、この男子は、めちゃくちゃ苦手だ。

「旦那じゃないし!」

咲里は、笑いながら言っている。ほんとに、咲里と呉藤くんは、仲が良い。

ほほえましいな。

そんなことを考えていると、クラスの担任 音崎先生が教室に入ってきた。

「朝、言い忘れてたが、今日の放課後は、生活委員の仕事があるから、担当生徒は残れよー」


え...ついにきてしまった。生活委員...こわいな。

「かほ!どうした?」

咲里が話しかけてくれた。苦手な男子は、自分の席に戻ったようだ。

「いや、私、生活委員だから、男の子は、誰かなって...」

「そっか。大丈夫だよ。そんなめちゃくちゃ話さなきゃいけないわけじゃないし。わたしが行けたら、一緒に行ってあげるんだけどな。」

咲里には、私が男子が苦手というのを話した。
理解して、支えてくれる咲里には、感謝しかない。

「だっ大丈夫だよ!今日は、咲里には用事あるんでしょ?」


「ごめんね。頑張って!」

うん。頑張ろう。不安だけど。