コーヒーのお味はいかが?

「まひろちゃん。ここで働いてたんだね」


変に気を使うまひろちゃんに、平然を装いながら尋ねる。


「はい。結可先輩が辞めて、あたしだけじゃなく、みんな辞めました」

「え?」

「田所先生の下じゃ、働けないって」


そんなことになってるなんて、全然知らなかった。


「私情持ち込んで、結可先輩のことを追い詰めて、あんなの人としておかしいですよ。どんなに医者が偉くても、やって良いことと悪いことがある」


あたしのために怒っているまひろちゃんの気持ちは、素直に嬉しかった。

あたしが前に働いていた職場は、有名な救命救急センターだった。

1日に何人も患者が運ばれてくるような、目まぐるしい場所。