コーヒーのお味はいかが?

湊の温もりに包まれながら、夜を明ける。

おかげで、余計なことを考えずに済んだ。

湊を起こさないように、静かにベットから抜け出す。

お手洗いを済まし、軽く身支度をした。

そして手持ち無沙汰になったあたしは、本棚に並ぶ医学書に手を伸ばす。

お父さんが医者だから、実家の本棚にも無数の医学書が並んでいた。

難しい言葉が埋め尽くす医学書は理解不能で、でもなぜか嫌いにはなれなかった。

だから暇さえあれば、医学書に手を伸ばしてた。

おかげで看護師になってから、結構役に立った。

懐かしい。

ソファに腰掛け、気付けば医学書を夢中で読み耽っていた。


「楽しい?医学書なんて読んで」


すぐ横から、湊はあたしが手にしていた医学書を覗き込む。