「そ、そんなこと、聞かないで」

「可愛い」


フッと小さな笑みを浮かべ、キスを落とす。

そのキスは、次第に深くなる。

そして名残惜しそうなチュッと、リップ音と共に解放された。


「帰したくなくなる」

「み、湊?」

「もっと、結可も俺に惚れればいいのに」


そんなこと言われなくても、あたしはもう十分に湊に惚れている。


「・・・好き」


自然と漏れた言葉に、湊は一瞬驚いたような顔をしたが、笑みを浮かべた。


「それ、反則」


そしてまた、チュッとキスを落とした。


「また、連絡する」

「待ってます」

「待ってるだけじゃなく、結可からも連絡頂戴。すぐに返せないかもしれないけど、必ず返すから」


「はい」と頷き、湊と別れた。