「どんまい」

「うっせぇな」


そう言うと、煌樹は外来へ向かった。

あたしも、仕事しよ。

そして、あたしも自分の仕事へと戻った。

仕事に追われ、気付けばあっという間に最終日。


「みんなには迷惑かけたから、これ差し入れ」


早乙女さんが、病院に顔を出した。

喜ぶスタッフ達が、早乙女さんと和気あいあいに話す姿を微笑ましく眺め、あたしはまた自分の仕事へと戻った。

煌樹から電話が来た時、本当は抵抗があった。

ここは、居心地が良すぎるから・・・

前の病院を辞めるときも、こっちに戻って来ようかと思ったが、逃げてるみたいで嫌だった。

求められるなら良いが、ここを逃げ場所にはしたくなかった。