コーヒーのお味はいかが?

「結可。また、近いうちにね」

「うん」


理緒と涼介の背中を見送り、あたしも帰ろうと歩き出そうとした時。


「家どこ?車で来てるから、送る」

「え?」

「迷惑なら、良いけど」


そうじゃなくて、突然の展開に全く付いていけない。


「あの、迷惑とかじゃなくて。むしろ、逆に迷惑じゃないですか?仕事で疲れてるのに、わざわざ送るなんて」

「まぁ。普通は、そうだけど」

「まだ電車もあるので、あたしのことは気にしなくても大丈夫です。早く帰って、休んでください。あ、それと」


あたしは鞄から財布を取り出し、さっきの飲食代を差し出す。

桐原先生と涼介がサッサッと支払いを済ませたせいで、あたしはお金払っていない。

理緒の飲食代を涼介が払うのはわかるが、あたしの飲食代を桐原先生が払う理由もなければ、奢られる義理もない。