コーヒーのお味はいかが?

そんな笑里の姿が見えなくなっても、まだあたしは動けずにいる。

だって何から話せば良いのか、わからない。

そんなあたしに痺れを切らし、湊があたしの元へとやって来る。


「怪我、大丈夫?」


事故の時、割れたガラスで怪我をした。

でも怪我自体は、軽症だ。

生活に、何ら支障はない。


「うん。大したことないから、大丈夫」

「良かった」


安心したような笑みを浮かべる湊に、申し訳なさが募る。


「あの・・・」

「最近全然連絡も取れなかったし、仕事も休んでたんでしょ?」

「ごめんなさい」


自然と出た謝罪の言葉に、湊は不思議そうに困った笑みを浮かべる。


「お母さんが亡くなって、実家に帰ってて」

「・・・え」

「それで、こっちに今日戻って・・・」


言葉の途中で腕を引かれ、湊の腕の中に収められる。