特にすることのないあたし達は、各自の部屋で過ごす。

あたしはいつの間にか寝てしまったみたいで、騒がしい物音によって目が覚めた。


「寝てたの?」


疲れきったような顔で、笑里が入ってくる。


「みたい」

「さっきチャイムが鳴ったと思って下に行ったら、結婚おばさんが来ててさぁ~」


結婚おばさんと言うのは、お母さんのお姉さんのことで、あたし達の顔を見るなり、結婚の話ばかりしてくるから、いつの間にかそう呼ばれている。


「熱く結婚について語り始めて、煌樹と明都が来たから押し付けて逃げてきた」

「悪い人じゃないんだけど、結婚の話になると熱くなる人だからね~」


このご時世、結婚だけが幸せじゃないのに・・・